余寒の蟹 余寒の蟹

室町和久傳

余寒の蟹

2020.02.08

間人蟹(たいざがに)は、寒さが増す2月に最も旨味がのると言われます。甘さがあり、素材の良さが光る直送の蟹を、炭火焼やしゃぶしゃぶで供します。

モロコは京都の人がもっとも愛する魚かもしれません。小さな姿ですが、大きな存在です。琵琶湖の固有種ですが、今では数が激減し、貴重な魚となりました。この時期、卵や白子が入りひときわ美味しいモロコを天麩羅でどうぞ。

私たちの先人は穀物や果物に邪気を払う霊力があると考えました。柚子釜に、美山の魔滅(まめ。大豆を指します)を使った湯葉と、カリフラワーのすりながしを入れました。柚子の香るカリフラワーの濃厚なスープは、冷えた身体を芯から暖めてくれます。

鰤の蕗味噌焼きは、産卵前の脂の乗った鰤に、早春をつげる蕗の薹と八丁味噌を塗って、炭火焼きにします。蕗の薹の苦味と香り、炭で炙られた鰤の香ばしい香りが交錯し、食欲をそそる一品です。